バルサ戦レビュー 後半!
- たこす。
- 2019年12月6日
- 読了時間: 10分
更新日:2019年12月7日
バルサ戦レビュー 後半
アトレティコは後半に入り前半ほど前からプレッシャーをかけることはなく、シンプルにリトリートするシーンが増えました。
また、バルサのバルベルデ監督はハーフタイムでいくつか改善策を打ってきました
1つ目がジュニオールのポジショニング修正です。
前半は攻守にアトレティコの格好の的となっていたジュニオールのポジショニングを高いところまで押し上げます。これにより、生み出される効果が二つありました。1つ目は前半得意ではない左サイドで幅を取っていたグリーズマンを中のポジションに移すことが出来ること。2つ目が、ジュニオールとマッチアップするコレアをアトレティコ陣内の奥深くまで押しやれることです。
アンヘルコレアはアトレティコのサイドのプレーヤーの中で最も運動量があり、守備意識の高い選手であり、アトレティコのフォーメーション上サイドバックに対してサイドハーフが対応するシステムになっています。これを逆手にとり、ジュニオールを高い位置へ押し上げることで、コレアがジュニオールについてマークするべく低い位置まで降りることを余儀なくされました。コレアは瞬発力があり、高い位置でのボール奪取からのショートカウンターなどでは能力を存分に発揮できる選手ですが、トップスピードがあるわけでもなく、長い距離を持ち運ぶのは得意とはしていません。そのため、対面のマッチアップ自体に不安はあれど、選手の配置で相手選手の良さを消すことが出来ました。
またサイドバックが高い位置を取る事は逆サイドのセルジロベルトにも行われました。セルジロベルトの方がビルドアップに絡んだり、低いポジショニングを取る事もありましたが、高い位置をとり、アトレティコのディフェンスライン裏へのランニングを繰り返していました。また、セルジロベルトが幅を取る事でメッシが中に入りやすくなったことも挙げられます。
2つ目が、ストライカー横のスペースを起点としたビルドアップです。
特に顕著だったのが左インテリオールのアルトゥールのプレーです。
1つ目の項目で述べた両サイドバックの高い位置取りにより、前半よりもより広いスペースがツートップの脇に出来ていました。ここに右フレンキー、左アルトゥールがポジショニングを取る事で前半苦戦していたビルドアップが容易になりました。前半アトレティコが実施していたプレッシングを完全に封じ込めることが出来たわけです。
アトレティコが取るべきだった対策として考えられるものを挙げてみたいと思います。
1つ目はアンヘルコレアとジョアンフェリックスのポジションチェンジです。
先程述べたように、アンヘルコレアは自陣低い位置まで押し込められていましたが、長い距離を運べる選手ではありません。この点に、アンヘルコレアの右サイド起用の限界等は見えているでしょう。また、ジョアンフェリックスはボールに触りたがる選手であり、長い距離ボールをはこべる選手であります。後半もジュニオール個人で攻撃面で目立つこともありませんでしたし、フェリックスでも守備面の対応に支障が出ることもなかったと思います。
またコレアは敵陣ボックス付近でボールを受けて仕掛けることを好む選手ですが、ジョアンフェリックスはボールを持ち運び、そこからシュートやパスの選択肢を幅広く取れる選手だと思います。そのためコレアはゴールに近いエリアでプレーする必要があり、フェリックスはパスの受け手が前にいる方が選択肢の幅が広がることになります。
2つ目が左サイドバックにロディを投入することです。サウールも最低限の守備は左サイドバックでもすることが出来ますが、本職ではないため特殊な技能が求められる場合どうしても穴となりがちです。後半になると、バルサの2つ目の改善策で指摘したバルサのインテリオールのビルドアップ時の躍動に伴い、フレンキーがボールを右サイドで持ち運んでくるシーンが増加しました。こうなったために、バルサ側はメッシ、フレンキー、セルジロベルトとの3人がいるのに対し、アトレティコ側はコケとサウールの2枚で対応を強いられるシーンも多くなりました。本職でないサウールは数的不利時の対応にやはり問題があり、この点を得意としているロディの投入があればこの問題はある程度改善できたと思います。また、試合を通して左サイドからの攻撃が少なく、バルセロナの右サイドを気持ちよくプレーさせてしまっていたことを考えでもロディの投入は必要だったのかな、と考えます。
では試合の内容に入りましょう。
上記の通り、後半になると前半以上にバルセロナがボールを持つ展開は増えます。改善が顕著だったシーンのひとつとして、高い位置をとるようになったセルジロベルトの右サイド裏へのランニングにラキティッチがロングフィードを通したシーンです。このプレーにおいてもアトレティコの左サイドの守備は完全に後手を取っていましたし、中央に圧縮する守備戦術のアトレティコにとって、左右のサイドを幅広く使われるのは非常に対応に困るものでした。このプレーだけでなく、セルジロベルトは積極的に裏へのランニングを繰り返し、時にはインナーラップも行うなどランニングの質の高さを見せていました。こういうプレーは試合を通してアトレティコにはほぼなかったように思います。
それでもアトレティコにもビッグチャンスが訪れます。自陣内でバルサのプレッシングを2枚剥がしたエレーラからトーマスを経て、左サイドに流れたモラタへ展開した55分のカウンターのシーンです。これはエリア内ほぼ中央でトーマスがモラタのパスを受けますが、サイドのフェリックスに流そうとしたところでラングレにカットされてしまいます。このシーン、個人的にはトーマスに直接狙って欲しかった(パスを出すにしてもダイレクトがよかった)ですが、完全に右サイドに流す狙いで入ってきていたので、その点は仕方ないかもしれません。63分にはサウールとコケの距離感が悪かった左サイドをフレンキーとセルジロベルトに完全に攻略されたりもします。
アトレティコ側もコレアがディフェンスラインの裏へランニングを行うなどのシーンもありましたが、それもカットされてしまいます。
66分疲れが見えたフェリックスに変えてビトロを投入します(この当たりのスタミナ等はフェリックスの今後の課題のひとつでしょう)
72分にはそのビトロの仕掛けと折り返しでチャンスを迎えますが誰にも合わず、こぼれ球を拾って仕掛けたコレアの折り返しにはモラタがフリックでゴールを狙いますがセルジロベルトにクリアされてしまいます。
73分に、1枚既にカードを貰っているコレアに変えてレマルを投入します。
82分、ビトロと接触したピケが足を痛めて交代となってしまいます(軽傷であることを願っています)
その直後、アトレティコはカウンターからレマルがサイドチェンジを狙いますが、これがビトロには通らず、カウンターを受けてしまいます。これをカットしたデ・ヨングがボールを運びメッシがカットインからスアレスとワンツー、いつも通りの理不尽ゴラッソを叩き込みます。
このゴールに関して簡単にメッシの理不尽力として片付けてしまうことも出来ますが、今のアトレティコに足らないものなどを発見することもできます。
少し考えてみましょう。
①軽率なボールロスト
レマルのサイドチェンジはピッチコンディションが悪かったとはいえ、不用意なミスであり、また以前に同様のミスを行っていることから擁護できるものでは無いと思います。(そもそもアトレティコは片方のサイドと中央で攻めきるのが基本なのでサイドチェンジを多用しませんが)
②ネガトラのサボり
自らのパスミスでボールロストしていたレマルですが、全力で戻ることはせずにダラダラと自陣へ戻ってきています。ミスはある程度仕方ないにしても、ネガトラをサボるなんて言語道断です、まして自らのボールロストだということを考えるとなおのこと。シメオネが失点シーンで切り抜かれていましたが、全身でネガトラを促しているようにも見えます。
またサボりとは異なりますが、スタートから高い強度でプレーしていたエレーラもネガトラで走りきることが出来ていませんでした。
前半勝負のプランだったのかもしれませんし、パフォーマンスはほぼ完璧だったので責める言葉を持ち合わせてはいませんが、そこまでスタミナを消耗する強度でプレーしていたのだということを考えると、そこまでの数多くの得点シーンで点を取り切れなかったことは痛手だったと感じました。
失点直後、ようやく待ち望んだロディを投入しますが、時すでに遅し、0-1での敗戦となってしまいました。
試合を通して、チームとしての問題点をいくつか考えたいと思います。
①まずは決めきれなかったこと。ここまでのリーグ戦内容は非常に良くなってきていますが、点を取り切れずに勝ち点を落とすことが長らく続いています。少なくともチャンスはある程度作れている以上、限界レベルの得点力不足は何としてでも改善しなくては行けません。
②交代策
結果論的な考え方になるかもしれませんが、コレアを下げる時の投入選手はロディであるべきだったのではないかと思います。レマルがミスから失点したから、という訳ではなくあの状況で必要だった選手はロディだったのではないかと
内容がよかっただけになんとも後味の悪い試合となってしまいました。
今後のアトレティコに必要なものを考えたいと思います。
①全員がネガトラをサボらない(大前提)
②得点のためのランニングの量と質
バルセロナのメッシの得点シーンでは、グリーズマンとセルジロベルトが裏へのランニングを見せ、アトレティコのディフェンスラインを動かしていました。こういったランニングは今のアトレティコではほぼ皆無なもので、攻撃の幅をひろげるためにも必ず必要なものだと思います。
また、今のアトレティコでは、コレアやビトロが折り返すシーンもよく見られますが、中で待っている選手がモラタ1人だけになっていることが多く、ピボーテの選手のエリア内への侵入が絶対数足りていない状態です。失点のリスクを冒して得点を取りにいかなければ得点は取れませんし、ある程度のリスク覚悟でのプレーは必要だと思います。
チョロは最近の会見で移行期、という言葉をよく使用しますが、主力がごっそりと抜け新しい血が入ってきている今新しいことを試すのは絶対に必要なものでしょう。
これまで何度も新機軸を試しては些細な引っ掛かりで諦めてきた頑固親父の代名詞、チョロ=シメオネが覚悟を決めて行っている大改革を最後まで見守りたいと思います。
もちろん移行期だからと全てを片付けてしまうわけには行きませんが、今までのいい所にこれから必要になるところを融合させていくようなサッカーになることを期待したいと思います。
簡単な選手評価(5段階) 採点は甘い
オブラク4.0
失点シーン以外は素晴らしい安定感を見せた
トリッピア3.5
守備面での安定感はアトレティコでも随一
もっと攻撃面でプラスアルファをもたらせる選手だと思ってます
フェリペ5.0
スアレスをほぼ完封 フェリペとオブラクが今のDF陣の中心と言える
エルモソ3.5
守備面での対応は移籍後ベストだが、点は決め切りたかった。第一段階はほぼクリアしたと言えると思うので今後の飛躍にも期待
サウール2.0
左ラテラルの選手ではない、以上
トーマス4.0
やはりなくてはならない選手
エレーラ4.0
メッシにボールを奪われたシーン以外は満点
大当たり補強
コケ4.0
運動量もあり、体を張って守備も見せた
もっとチームを引っ張る姿を見たい
コレア3.0
攻守に最低限はやったが、もっとできる選手だしもっと輝いて欲しい。右サイドよりトップが可
フェリックス3.5
ロングカウンターで1人でもち上がろうという気概もあった。少しずつでいいからスタミナもつけていきたい
モラタ3.5
得点こそ惜しくも入らなかったものの、フィニッシュ面はもちろん、それ以外のところでの貢献度も非常に高かった。サイドでのボールの持ち運びもあった。次は守備?
それでは年内残り全勝目指して
AupaAtleti
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