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  • 執筆者の写真たこす。

CLリバプール戦レビュー


相手が欧州王者、世界王者とか、チームが2020年に入ってから負け越している、とかそんなことも関係なく、多くのファンが試合が近づくにつれて勝利を信じていたのではないでしょうか。

少なくともTwitter上のコルチョネロス達はそうだったように見えました。

スタジアムが、ビセンテカルデロンから、メトロポリターノに移って以降かつての迫力がなくなったのは事実だったはずでしたが、この試合のメトロポリターノは「圧力鍋」のあだ名にふさわしいファンの熱量が見られました。

そんな中迎えた大一番、チョロシメオネは誰もが予想だにしなかった奇策を打ってきました。

アトレティコのスタメンは

オブラク、ヴルサリコ、サヴィッチ、フェリペ、ロディ、コケ、トーマス、サウール、レマル、コレア、モラタの11名でした。

事前の予想と大きく異なったのは両ラテラルと左サイドハーフです。守備面で一日の長があるアリアスではなくヴルサリコ、守備面での信頼を欠くロディ、攻撃陣の序列最下位まで落ちていたレマルのスタメン起用。誰もが驚いたに違いないでしょう。

すなわち、チョロは選手起用でもって前に出る、守勢一方にはならない、という意思を示したと考えることが出来ます。

相手のリヴァプールは滅多にないフルメンバー総揃いでしたが、1歩も引かずに戦い抜く決断は英断になりました。

両チームのスタメンです(参考までに)



前半

アトレティコは予想通りコケが右サイドの4-4-2でスタート、リヴァプールも4-3-3。

アトレティコは試合開始からハイテンションに人数かけてプレス→ボール奪取後ショートカウンターというシーンがいくつか見られました。

また、押し込んだ後はオーバーラップしてきたロディへ展開し、ロディが一枚剥がしてクロス、というシーンも試合を通してよく見られ見られました。

前半3分、アトレティコはCKを獲得します。

いつもはセットプレーは人数をかけて点を取りに行くアトレティコですが、この試合では高速カウンターを誇るリバプール対策が見られました。

配置を確認してみましょう。



リヴァプール側の狙いは弾き返したあとの高速カウンターです。エリア内に密集していない、2人の選手はサラーとマネです。

一方のアトレティコは、高さのある、サウール、モラタ、サヴィッチ、フェリペをエリア内に配置し、その他の選手はリヴァプールのカウンターを警戒してリスク管理を徹底した配置になっています。このプレーでこぼれ球をサウールが押し込んでアトレティコが先制しますが、ただ点を取った訳ではなくその裏にも両チームの姿勢が見えていました。

アトレティコは序列を落としていたレマルや守備面での信頼に欠けるロディを左サイドに起用した訳ですが、守備に不安があるアーノルドの裏を攻略することが目的だと思われます。

レマルがやや中に絞ってアーノルドを釣り出してロディがその裏を取るシーンも見られました。

この試合はリヴァプールがボールを所持する時間が長かったので、そこを考えてみましょう。



リヴァプールはファビーニョが1列降りてCBの間でビルドアップに関与し、両ウイングがハーフスペースに入って、アーノルド、ロバートソンの両ラテラルが高い位置で幅をとります。

アトレティコの守備も比較的シンプルで、ツートップが(主にコレアが)ファビーニョを監視しながら自由を与えません。こうして、中央を閉鎖しながら、リヴァプールの両ラテラルにボールが入るとまずは両サイドハーフ、ラテラルが2枚で対応し、徹底してスライド、プレスをかけ、徹底して制限をかけます。リヴァプールの最大の強みの一つである両ラテラルの攻撃参加をほぼ封じることに成功します。

一方で、アトレティコのラテラルとセントラルのあいだにスペースが生まれてしまいそこを突かれるシーンもありましたが、ピボーテ、セントラルのカバーで対応していました。

また。アトレティコの攻撃面で見られた工夫だと、モラタをファンダイクではなくゴメスとマッチアップさせたところなども挙げられるでしょう。

両チームともに、何度か危ういシーン、惜しいシーンこそありましたが、アトレティコは被枠内0で前半を折り返します。

前半のよかった点でいえば、相手にカウンターの機会を作らせなかったこと、両ウイングに良さを出させなかったことが挙げられるでしょう。追加点を取れる機会もあっただけに取っておきたいというのも正直なところですが...

後半

アトレティコは負傷したレマルに変えてジョレンテを投入、コケを左サイドにまわし、ジョレンテが右サイドに入ります。

リヴァプールは目立てていなかったマネに変えてオリギを投入します。マネはイエローカードを貰っていたのもあったのでしょう。

最近フィットしてきているジョレンテの右サイドハーフ起用をこの大1番でも実施してきましたね。



リヴァプール側はスペースがなく両ウイングが苦しんでいたためか、サラーを下げてチェンバレンも投入します。

アトレティコも70分にモラタを下げてビトロを投入します。再三再四決定機を逃したモラタは泣きそうになっていましたが、これをまた乗り越えて得点量産体制に入ってもらいたいところです(そう出ないと困る...)79分には、アトレティコはついに、ついにジエゴコスタが帰ってきます。離脱前のプレーが素晴らしかった訳でもないのに期待感が高いのはなぜなのか...(笑)短い時間でもさすがのプレッシングを見せてくれました。

試合自体は前半と同じような展開が続きました。

中央を固めた4-4ブロックを敷くアトレティコの守備をリヴァプールが崩せず、サイドで人数をかけてボール奪取を図るアトレティコの狙いに大分ハマりこんでしまっていたように感じました。

その結果が枠内シュート0という数字にも出ていますが、アトレティコ側は完勝と言っていいと思います。

【選手評価(アトレティコ)】

オブラク オフサイドに救われるも致命的なミスを

年1のイベントが終わったので1安心(?)

ヴルサリコ ライバルたちと比べて比較的ある高さを武器にクロス対応も〇

サヴィッチ、フェリペ

完璧なクロス対応、守備、文句なし

ロディ MOM

サウールのラテラル起用が増える中で自らの価値を再証明。もっと攻撃力を活かしてあげたい

コケ 走行量1位、質も量も最高なランニングは未だ健在。サイドを完封した守備も流石の一言

サウール

得点試合無敗伝説は依然継続。誰よりも最高な熱い男。攻守の貢献度は計り知れない

トーマス 早く契約延長して欲しいというのがファンの願い。序盤はプレススピードに慣れずミスを多発するも、後半から完全に適応できていた。

レマル 久しぶりの先発、最初からそれをやれよというような素晴らしいパフォーマンス。

怪我が残念...

コレア 攻撃面では目立たずも、ファビーニョ監視のタスクを全う。次は結果も...

モラタ 涙目で交代するなど不完全燃焼に終わる。

守備しような、話はそれからだ。

ジョレンテ 猪突猛進のプレースタイルはCLでも使えると判明。びっくりした。

ビトロ ボールの取られなさ、相手が嫌がるプレー選択はさすが。そろそろ目に見える結果が欲しい

コスタ お帰りなさい!!!守備強度は久しぶりながらも素晴らしかった👏👏

終わりに

ココ最近の数試合と見違えるような采配を見せたチョロ、今期最高のパフォーマンスを見せた選手達、悲観的な見方も多かった中で彼らを信じ続けてきてよかったな、と多くのアトレティコファンが思えた試合だったのではないでしょうか。

しかし、セカンドレグはアウェー、アンフィールドが舞台です。クロップや多くのリヴァプールの選手が語っていたように、彼らはアンフィールドでの試合に絶対的な自信を持っていますし、逆転突破を決めた実績もあります。

個人的には、ホームの1-0での勝利をもってしてスタートラインに立ったと考えています。

ですが、アトレティコの選手たちもこの勝利で自信をつけたでしょうし、セカンドレグも去年のようなプレーではなく、ファーストレグのような全力を尽くしたプレーで戦って欲しいと思います。リーガではCL争いも激化していますし、落とせる試合などありません。

選手たちも「Partido a Partido」の精神で一戦一戦戦い抜いてくれるでしょう。

ここまでお読み頂きありがとうございました🙇‍♂️

AupaAtleti!!!

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